磁気熱分解とは、例えばお香に着火すると、徐々に熱が伝わり蓄熱で燃焼後、灰化する現象を装置内で再現しています。
(図参照)
炎を立てて燃やすのでは無く装置外部からの酸素を吸入しない為、対流ガスを強力磁石で分極磁場印加し、処理の補助をおこなっている磁気熱分解方式です。
本装置は、環境省から認められた“磁気熱分解装置”であり、焼却炉の分類には属しておりません。


●特徴1
●特徴2
酸素を外気から取り入れた場合、当然のごとく排出しなければならないため、酸素は外部から供給することなく内部循環するガスを再利用する方法を発明しました。
その方法は、分解処理部で生じた排煙をフィルター部に送り、フィルター部によるタール除去や消臭処理の後、磁石による磁場を印加しつつ分解処理部に戻して循環させるようにしたので、排煙を有効に活用して磁気熱分解処理を行うことができます。
吸気不要⇒煙突不要
稼働したままでのメンテナンス
フィルター部を分解処理部と分離する事により、装置全体の稼働停止を伴うことなく、フィルターの交換や清掃が行えます。
フィルター部には、シャワー用と水槽フィルタ用の計2つの水槽があり、シャワーは排煙の温度を低下させると供にタールを除去し、後段のブロワの負担を軽減するためのものです。
水槽フィルターは、排煙が水中を泡となってくぐることで、主としてタールを除去するためのものです。両水槽の水は、常時排水はせずに3ヶ月に一回程度交換します。
●特徴3
高い減容率
本装置は酸素を外部から供給せず、内部で再生した少量の酸素によって酸化反応の熱を維持する性質から500℃程度の低温による熱分解を可能としました。
これにより、投入した廃棄物は膨張や縮小を伴わずに熱分解され、減容率は1/250程度という高い減容が可能です。ちなみに焼却した場合の減容率は概ね1/10から1/20程度です。
●特徴4
安全性の重視
温度上昇及び、装置内部にかかる圧力は、排煙を循環させるための送風機である「ブロワ」の風量及び、風圧が上限と
なり、停電などにより装置が停止した場合、分解処理部の温度は緩やかに低下し続け、フィルター部の加圧は停止します。
このときの最大加圧は乗用車のタイヤの空気圧程度であるため、万が一損傷して圧が漏れたとしても「シュー」という音が出る程度で危険は一切ありません。
●特徴5
耐久年数20年以上
本装置の分解処理部の中心温度は500℃であることは前に述べたとおりですが、この温度帯で廃棄物を処理するとタール分と呼ばれる物質が発生しますが、ダイオキシン類の発生はありません。
タール分は排煙と共に装置内を循環してフィルター部で洗浄して水槽内に堆積すると粘性のある泥状を形成します。
また分解処理部の内壁にも付着して鉄板を膜状に覆うため内壁の損耗はゼロに等しく、本装置の耐用年数は20年以上といえます。
※酸化分解により廃棄物を処理する装置に「焼却炉」が有りますが、焼却炉の場合、大量の酸素を供給して高温で処理することがダイオキシン類特別措置法などで定められているため、炉内は損耗が激しく定期的なメンテナンスが必要となり維持コストは高額に及びます。
●特徴6
大気汚染防止に貢献
環境破壊防止に大きく貢献する装置です。特長その5で述べた「タール分」は、焼却の場合「ばいじん」や「酸化硫黄」に姿を変えて排煙と共に大気に排出される物質です。
本装置は分解処理部で発生した排煙の殆どを装置内に循環させフィルター部でタール分と臭気を除去した後に分解処理部に戻して再利用するために大気汚染防止に大きく貢献することが可能です
●特徴7
処理費用の大幅削減
廃棄物の処理費用を大幅に削減する装置です。熱分解処理に必要な熱の維持は、循環する排煙を洗浄して磁場を印可し熱を帯びやすいガスに替えることにより継続するため、ガスや石油等の副燃料は一切不要です。
必要なエネルギーは月額2~3万円程度の電気代で、これは排煙を循環させるための「ブロワ」や排煙を洗浄するための「ポンプ」及び、廃棄物を投入する為のホッパー部シャッターを開閉するための「モーター」を駆動させるものです。
●特徴8
環境・エネルギーに貢献
本装置は、「特定ものづくり基盤技術高度化指針」の「(七)機械制御に係わる技術」に該当し、環境・エネルギー分野に関する事項の「エネルギー利用効率の向上」の高度化目標に資するものです。
また、環境負荷微小でゴミを熱分解処理すると同時に、ゴミ処理にかかるコストと残渣物を大幅に削減するもので、成長分野の「環境・エネルギー」に関係します。